2012年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 148】 by 岡村恭子
VOL.148 暑中お見舞い申し上げます。
torsdag den. 19 july 2012
すだれに風鈴、よしずばりにかき氷、打ち水した庭で冷たい麦茶、
夕涼みの団扇に納涼花火大会。暑い季節に涼しさを演出する日本の夏…
と、思い描く情景は風流だけれど、実際には省エネ対策の中、
クーラーの温度調節に頭を悩ませている毎日とお察し致します。
翻って、こちらは相変わらずの低温の日が続き、暑い陽射しが恋しい
今日この頃です。日本とデンマークを足して2で割れば快適そうですが、
これだけはどうにも成りませんね。
E-メールが出現して以来、ペンを持って手紙を書くという事から
ますます遠のいてしまった感が有りますが、それでも、平素ご無沙汰の
親戚の者などには季節の挨拶を書くよう心がけています。
今年も暑中見舞いをしたためる頃となりました。クリスマスカードは
山ほどのデンマークですが、暑中見舞いの習慣などもちろん有りま
せんから、一般のカード売り場でなるべく涼し気な一枚を選ぶのに苦労します。
或る時、ふと思い立って観光絵葉書を使ってみたら、これが案外好評でした。
以来、北欧の夏らしい絵葉書を選んで送るようになりました。
お土産屋さんの店先で絵はがきをあれこれと選ぶのは観光客のようで
なかなか楽しい。ついでにアイスクリームを買って食べ歩きをすれば
気分満点です。今回は*Post&Tele Museumのショップで購入しました。
同ショップは好きな切手を選べるのが嬉しいし、郵便に関する様々なグッズを
展示販売しているので眺めるだけでも結構楽しめます。
袋詰めの古い使用済み切手も安価で販売しています。以前、小学生の子供に
送ったら大変喜ばれました。
コペンハーゲンに観光でいらしたらお薦めのスポットです。
E-メールの文章は何度でも簡単に打ち直せる。書き終わったと同時に
送受信完了!不要になれば簡単に消去、PCのゴミ箱にポイ捨てしてしまう。
あくまでも便利なツールという感じです。
そこへゆくと、手紙には時間をかけて文章をしたためたぬくもりまでも相手に
伝わり、捨てるなんてとんでもない!一枚の葉書でも大切に保管されます。
私の愛読書に『漱石先生の手紙』(出久根達郎 著)があります。
手紙が大好きだったという明治の文豪夏目漱石の手紙を紹介しながら、
著者が尊敬して止まない夏目漱石という一人の人物を優しく分析しています。
彼の手紙を介してその後の人々に与えた精神的影響も興味深く、
とても楽しめる一冊です。
それにしても現存する手紙だけで2500通!とはすごいですね。
私達は見ようと思えば夏目漱石の直筆の手紙を見ることが出来るのです。
夏目漱石の時代にE-メールが無くて本当に良かった!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
pm 9:00の庭。紫陽花に太陽蓄電の豆電球をからめてライティングです。
どうやら今年の我が家のプラムの実はこれだけ。。貴重な一個です。
サクランボのお返しにご近所さんからもらった手作りケーキ。
さあ、暑中見舞いを書きましょう。