2012年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 151】 by 岡村恭子
VOL.151 子供に戻って自然観察
torsdag den. 9 august 2012
晴れている!と思ったのも束の間、青空の下の方からムクムクと黒い雲が
湧いて来て、たちまち大粒のにわか雨…、そんな変わり易いお天気が続いています。
芝生には早くも紅葉した桜の葉が舞い散り、シュウメイ菊が咲き始めています。
一雨ごとに秋が近づいて来ている気配です。
雨上がりには蜘蛛の巣が水滴をビーズの様にキラキラさせています。
蜘蛛は獲物を捕らえる=食事にありつけるために、根気よく大変な作業を
しているわけです。苦労は分かるけれど人間様の顔にひっかかる場所はダメ、
と帚の先にからめ取ってしまっても蜘蛛は懲りない。
翌日また同じ場所のに立派な巣が完成しています。
ある日の事、裏庭で少し大振りの石を退けると…、一瞬「ワッ!」と
驚いてしまった程沢山の蟻が蠢いていました。迷路の様に幾筋も溝を掘り
土中へと続いています。石の下で建設作業に勤しんでいた蟻一族が
突然天井を取り払われてパニック状態!方向性を見失って『アリさんとアリさんが
コッツンコ♪』しています。その蟻達の一匹残らず全員が黄色い米粒のような
ものをくわえています。卵です。もう少しで運び終わるタイミングだったようで、
ここでも気の毒な事をしてしまいました。
無謀な人間(=私)の仕打ち?にめげず頑張る我が家の庭の蜘蛛や蟻をはじめ
この世に生息する人間以外の生き物は全て、合理化もせず贅沢も言わず、
神様の作ったルールに沿って手間ひま惜しまず、自然の営みを続けています。
結局それが最も賢い方法なのだと言っているようにも感じます。
子供の頃にはちっぽけな虫や道ばたの雑草が身近だったのになあ…。
まん丸虫を手に乗せて眺めた幼い頃、タンポポの綿帽子を飛ばしたり、
朝顔の花を手の中で扱いているうちに生温かくなってしまった時のあの感触、
そのあと手を開くと紫色に染まっていてビックリした時の事。
空に浮かぶ雲が様々な生き物に見えたり、雨上がりの水たまりに写る自分に
笑いかけたり… 、いつの間にかそんな事をしなくなってしまう。
大人になるという事はそういう事なのかも知れません。
それにしても、記憶の底から蘇る自然に親しんだ日々は、何と日常的な
断片なのでしょう。両親が自然に親しませようとして、多分汗だくで連れて
行ってくれた動物園や海山のことよりも、近所のまん丸虫、なのです。
案外そんなものですね。
デンマークは夏休みが終わってしまいましたが、日本は今が夏休み最高潮の頃を
迎えていることでしょう。この機会に親子で身近な自然観察をするのも楽しいかも
しれませんね。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
芝刈り中です。芝生の上には紅葉した桜の葉がチラホラと…
リンゴが青い実をつけています。赤くなるまであと2ヶ月程待ちましょう。
雲の流れが早い速い、青空の下から黒い雲がムクムク!
あらら、もうスノウボールが…。