2012年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 153】 by 岡村恭子
VOL.153 救急車に乗った日
torsdag den. 23 august 2012
あっ!と思った時には自転車から転げ落ち、後頭部をガツン!と
打ち付けていました。
いつものように自転車に乗っていた時の事です。
その前日、スピード違反の車を追跡していたパトカーが近所のバス停に
突っ込んでしまった事故があり、警察が事故るとは!と、呆れ返ったばかり
だったので、くれぐれも気をつけようと気を引き締めていた…はずなのに。
大通りのパン屋さんの前を通りかかった時でした。前方には車道から斜めに
自転車専用道にはみ出した白いライトバン。パンを買おうと思っていたけれど、
車が邪魔だからやめようかな?と一瞬迷い、注意力が散漫になってしまったのだと
思います。歩道と自転車専用道との境にある縁石に自転車が乗り切れず、
自転車ごと横転してしまったのです。私の周囲にワラワラと人が来て、
起き上がらせてくれる人、自転車を立て直してくれる人。一人のオジさんが私の顔を
覗き込んで「大丈夫か?」という言葉に「大丈夫じゃない。頭が痛い。」と言って
しまったものだから、そりゃ大変!と救急車を手配してくれてしまいました。
たかが転んだだけで、大げさな事になってしまったなあ、困ったなあ、と思いつつ
後頭部を触るとブクーンとした瘤がどんどん大きくなっているような気がします。
万が一ということもあるし、コトの成り行きに任せる事にしました。
救急車を待つ間、オジさんは私を日陰に誘導し、座る場所を作ってくれて、
何処からか冷たい水まで持って来てくれました。程なく救急車がきました。
親切な” オジさん “ にお礼を述べ、連絡先を聞きましたが、彼は手を横に振るばかり、
行ってしまったのでした。
日頃、サイレンを鳴らして通り過ぎる救急車を見かける度に、野次馬的に
どうしたんだろう?と思っている私が、その救急車の中に横たわっているなんて!
自分でも驚いているのです。家の者達は夢にも思っていないでしょう。
救急車の内部はコックピットの様に医療器具がびっしりと配置されています。
天井から血圧検査の道具が降りて来ました。 冷たい袋を頭部に当てがわれ、
血圧を計る間に聴き取り。その全てが速やかで救急隊の二人が非常に優しいのです。
程なく救急病院に到着。「歩ける」という私を制してベッドのままグヮーンと
院内に運び込んでくれます。みんなが避けてくれます。まるで映画みたいです。
救急フロアにエレベーターで直行です。ちょっとしたVIP扱いです。
既に連絡が入っていたらしくナースが待っていてくれました。私の名前も確認済みの
ようです。そこで病院のベッドに移動し、救急隊は速やかに退出。ナースが鎮痛剤と
*予防接種をしてくれました。小1時間そのまま様子を見るとの事です。
静かだし…なんだか眠くなって来た…と思う頃、ドクターが来て挨拶、次に担当医が
来て簡単な問診の後、頭の瘤を一瞥して一言「大丈夫!」背骨を打診して「大丈夫!」
数日は身体が痛いけれど打撲によるものだから「大丈夫!」という沢山の太鼓判と
診断書をもらい、帰宅したのでした。
ぎっくり腰の様に腰を曲げ、頭にアイスノンを乗せている変なスタイルの私を見て、
仕事から戻った家人、事の次第に呆れ返り『生きていりゃ良いさ』と心底
思ったそうです。
*予防接種=Tetanusというウィルス感染による急性筋肉痙攣の予防接種、
交通事故の時にも有効だそうです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
空に十字架の雲が…。
お昼寝中のミンゴス君、育ちの良さが寝姿に出ています。
一方、こちらはノラ猫カナちゃん。毛並みも寝相も悪いけれど、やっぱりカワイイ。
自転車用ヘルメットを買いました。これでもう大丈夫?!。