2012年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 155】 by 岡村恭子
VOL.155 遠方より友来たる。また楽しからずや・・・の巻き。
torsdag den. 5 september 2012
時折り、ステッチハウスのページを覗くのを楽しみにしています。
微妙な色彩のニュアンスを刺繍で表現した四季折々の草花や風景のモチーフ
などを見るたびに心和みます。
例えば、まだ春遠い冬の朝、何気なく開いたステッチハウスのページに、
パステルカラーのイースターアイテムが更新された時の嬉しさ!
一足早く春が来たようで ポッと暖かい気持ちになります。
逆に翌年のカレンダーが登場すると秋本番!そろそろ暖房の心配をする頃と
なるのです。そして、只今は「今月のおすすめ」の『晩秋の広場 Gråbrødre torv』
に添えられた延江さんのコメント「この木が季節の移り変わりを教えてくれます。」に
思わず頷いている私がいます。
先日はコペンハーゲンでもブルームーンを愛でました。
秋はお月さまも冴え冴えときれいです。
そんな初秋の或る日、久しぶりに友達が来訪しました。
一流企業に勤続30数年の、いわゆるキャリアウーマンの彼女が、
今回は何とお魚の勉強にやって来た!というのです。
唐突な話に一瞬キョトン!としてしまいましたが、聞けば、この春
某国立大学の大学院に入学を果たし、これから” お魚 “ について学ぶ、と
いうことなのです。彼女とお魚も俄には結びつかないのですが、
そんなことよりもこの歳になってから大学受験をし、入学を果たし、
仕事と学業ともうひとつ主婦業を掛け持ちで頑張るというのですから、
その実行力にまず脱帽です。受験の事はご主人以外には口外しなっかたから、
周囲がみんな驚いていると、可笑しそうに報告してくれました。
どうして、お魚の研究(正式には漁方研究)なのかは説明を聞いても
正直ピンとは来ないのですが、本人が学びたいのです。その為に
受験勉強をし、入学を果たしたのです。これを快挙と言わずして何でしょう?
嬉々として語る彼女はまるで少女のようです。
この秋で60歳になると同時に会社の方針で勤務が週三日になり、ようやく
自分の時間ができる、それなら新たな勉強をしよう!自分のスキルをあげよう!と。
それで、お魚研究なのよ。と明るく笑います。
今回、休暇を兼ねてデンマークに行くと知った教授から、帰国したら研究室の
先生達にデンマークの魚事情について報告会をして欲しい、と頼まれてしまった、と、
そこでも屈託なく笑っているのです。
研究室に閉じこもっている体質を変えて行かなかれば!と張り切る様子に、
彼女の行動力と明るい性格なら、もしかして、お魚研究の現場=大学研究室も
楽しいものになるかもしれない、と思いました。
さてさて、私も本日はデンマークのお魚事情をリサーチしながら、夕食の献立を
考えようと思います。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
日本とかなり趣の違うデンマークの魚屋さんです。
広場のマーケットから。
色とりどりの野菜や果物のモチーフを刺繍にしても楽しそうですね!