2012年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 163】 by 岡村恭子
VOL.163 11月 霜月 雪待ち月
torsdag den. 1 november 2012
早いもので11月になってしまいました。
「きょうのクロスステッチ」を連載するようになってから一週間の過ぎるのが
早いこと、早いこと!(笑)原稿を送ったそばから次回の文章を
あれこれと考え始めています。そう思って周囲を見回すと、何気ない
日常の中にも新鮮な驚きや、時には小さな発見もあったりして、
お陰さまで日々の楽しみも増えました。
12月を来月に控えてこれから日増しに気ぜわしくなって行きますね。
「師走」=先生も走る、とは昔の人は上手く言ったものです。
和語の月名には日本人ならではの季節感が込められていて興味深いけれど、
さて12ヶ月全てスラスラと言えるかというと甚だ心もとない…。
一月の睦月から始まり、如月弥生卯月皐月、とこの辺までは何とか
出てくるものの、その先になると少しずつ怪しくなってしまいます。
11月は何と言うのだったかしら?…そうでした。霜月でした。
霜の降りる頃を迎えようとしている…。別名「雪待ち月」とも言うのだそうです。
なんと雅(みやび)な呼称だろうと感心していた矢先、更に細かい暦が有ると
いう事を知りました。
365日を5で割って『72候』という、5日毎の暦だそうです。
例えば、立秋を迎えた8月7日〜11日は「涼風至」=すずかぜいたる。
10月中旬は「菊花開」=きくのはなひらく。 秋の終わりの丁度今頃は
「霎時施」=こさめときどきふる。…と読むのだそうです。
いずれも移り行く季節を身近な自然に託し、僅か3文字で表現しています。
一体どんな人がどんな時に書き記したのでしょうか?
平安の頃の宮中で絵日記がわりに楽しんで名付けたのかな?
きっと清少納言のようなインテリ女性に違いない、と勝手な想像が膨らみます。
そんな古(いにしえ)の人を真似て、私も72候を考えてみました。
ここ数日コペンハーゲンもかなり冷え込んできました。紅葉した木々が
一風吹くごとに葉を落とし北風に震えている、そんな風情を言いたい!
ですから、えーっと、えーっと…11月最初の北欧暦は …
「北風散葉」=きたかぜにはがちる。
嗚呼、どうしても4文字熟語になってしまいます。やってみると漢字三文字に
まとめるのは難しく、苦労の末出来たのが「聖控月」=クリスマスをひかえて。
むりやり三文字に押し込めました。
秋の夜長、みなさまもトライしてみては如何でしょうか?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
まり行く秋のコペンハーゲン、寒くたって防寒着で外のカフェに憩うのが北欧スタイル?!
ベンチに置いたままにしてあった庭の林檎、5線の上の音符のようだったので…。