2012年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 162】 by 岡村恭子
VOL.162 時間のトリック:時計の針を逆戻し
torsdag den. 25 oktober 2012
今年も冬時間の季節になりました。
北欧に暮らしていると夏&冬時間の変更が、人々の気持ちまで「明&暗」に
スパッ!と二分してしまうようです。
そして、毎年繰り返しているけれど 今年も「明」から「暗」の季節に
切り替わってしまうと思うと、やっぱり少し溜息まじりになってしまいます。
今週末の土曜日と日曜日の間に一時間後戻り…人々が夢の中のam3:00、
時計の針がam2:00にリセットされます。
良い子も悪い子もみんな朝寝坊が出来る特別な週末です。
もちろん、個人の時計の針は各自がその針を逆戻りさせる必要が有ります。
冬時間は時間が後戻りだからあまり問題はないのですが、
一時間早回しの夏時間に切り替わった時の失敗談は良く聞く話です。
もう随分の事、まだ携帯電話の無かった頃の失敗談です。
北欧にも遅い春がやってきた3月最期の週末、
列車でドイツから到着する友人を迎えに行く時の事でした。
腕時計を見ると随分早くついてしまい、時間つぶしにカフェでのんびりして
周辺を散歩し、ふと向い側の市庁舎の時計を見てびっくり!なんと、
もうとっくに到着予定時間を過ぎているでは有りませんか。そうだった!
今日から夏時間になったんだ!大慌てで駅に行くと、人気の無いホームに
ポツンと友達が佇んでいました。本当はもっと早く来ていたのに、と悔しい
やら申し訳ないやらで、あの時は本当に夏時間に切り替わったことを
恨めしく思ったのを覚えています。
そもそも、オリジナル時間は冬時間だったのを19世紀のイギリスの天文学者
George Hudsonが “ 夏時間 “ という概念を提案したのが始まりだそうです。
そして、ヨーロッパで初めて夏時間が実施された切っ掛けが何と1914年に
始まった第一次世界大戦。長引く戦争の中での省エネ対策だったのだそうです。
世界中を巻き込んだ戦争が切っ掛けとは意外ですが、そのシステムが現在まで
続いているわけです。日本でも去年の夏には省エネの為に夏時間を導入しようと
言う意見がありましたが、結局実施にはいたらなかったようですね。
省エネ対策の効果は分かりませんが、明るい季節は早起きして活動開始し、
暗い季節は少しでも長くお布団に包まってスロースタートというアイデアは、
北欧の暮らしにはとてもフィットしています。
EU諸国はもちろん一斉に冬時間になりますが、例えばUSAは11月最初の
週末からと決まっているそうです。
国によって一日24時間の使い方も夫々で面白いですね。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
葉が落ちてしまう前の束の間、庭は秋の色で明るく彩られます。
我が家のファサード。紅葉したそばから大きな葉っぱがバサバサ!と落葉して、毎日落ち葉掃きです。
ご近所の教会の前も落ち葉でいっぱいでした。