2013年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 177】 by 岡村恭子
VOL.177 手の平サイズの植物図鑑
torsdag den. 21 februar 2013
某日。
一日降り続いた雨で雪が流され、黒い土がむき出しになった庭は
枯れた木立の中でいかにも寒々しく感じられます。
白い雪のお布団をかぶっていた方が明るくて良かったなあ、と
思いながら、長靴を履いて庭をひと回りしてみました。
そうしたら…?!遠目には 黒く味気ない土の下から出てきた!出てきた!
早春を告げる花の先頭バッター、ぴゅんと長い葉っぱのスノウドロップと
黄緑色の額が襟巻きのようなエランティスです。
そういえばお花屋さんの店先にも鉢植えの水仙やクロッカスと一緒に
ムスカリやエランティスが並んでいました。
ステッチハウスのページにも早春の花がたくさん登場しましたね。
黄色い色は北欧に春を呼ぶ色です。見ているだけで何だかうれしくなります。
我が家の敷地は約900㎡、裏庭も含めると結構な広さになります。
庭の手入れはエンドレス、出来る事から順番にして行くことが基本と
心得ました。まずは長い冬の間に堆積した落ち葉等の片付けから始まります。
明るい季節になると朝から庭を一周して、キッチンに戻った時には
土まみれの黒い指先に袋一杯の雑草を抱えているというのが日課のように
なりました。この家の歴代オーナーは専属の庭師を雇い、のんびり暮らし
ていたそうですが、もちろん私達にそんな贅沢は許されません!
主婦兼庭師の私は、土いじりの最中に花の新芽を発見してワクワクしたり、
手塩にかけた苗木を枯らしてガッカリしたり、一喜一憂の繰り返しです。
庭には未だに名前も知らずにいる植物もたくさん有りますし、
初夏に群生して咲く可憐なルピナスや西洋オダマキも、風で飛んで来た種が
根付いて、我が家の庭で咲いてくれる様になったのです。
雑草を取りながら「何を指して雑草というのかしら?」と、そんな事も思います。
先日散歩がてら出かけたミュージアムのショップで素敵なものを見つけました。
オールドローズ、ベリー、ハーブなどのイラストが描かれた*ポストカードです。
8枚一組、植物の名前が明記された手の平サイズの植物図鑑といった感じです。
美しいイラストはそのまま刺繍のモチーフにもなりそうだと思いましたが、
いかがでしょうか? * http://www.koustrup.info/kort.html
庭仕事が始まるまでの暫くの間、ミュージアムはちょっぴり豊かな気分を
味わえる手軽な私の散策コースなのです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
花屋さんの店先に並んだムスカリ、クロッカス、エランティスetc.
早春の気配が漂います。
私が選んだのは「SNAPSに入れるハーブ」シリーズ。
(SNAPS=北欧に古くから伝わるアルコール度40%の強いお酒)