2013年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 217】 by 岡村恭子
VOL.217 便利な時代に思う事
torsdag den. 28 nobember 2013
11月最後の週末です。
北欧は冬ごもりの準備万端、 暖炉を焚きキャンドルを灯して過ごす季節と
なりました。日増しに夜が長くなるのを実感しながら、心は早くも春に
飛んで行きそうです。窓辺からキコリに枝を切ってもらった桜の木が
見えます。葉を落としとても寒そう…でも、きっと元気になって新芽を出して
くれるわね!と桜に(自分に?)言い聞かせています。
私達よりずっと年上の桜の木、大切にしなくては!とあらためて思います。
某日のこと、毎年休暇を過ごしに来る家人の親友が食卓を囲みながら
思い出したように言いました。「そう言えば、この家でテレビを見た
試しがない。…どこに有るのテレビ?」そう言う彼を引っ張るようにして
居間の窓辺にひっそり置かれているテレビの前に連れて行き「ありますよ。ほらっ!」
と言いながら、思わず声を立てて笑ってしまいました。
我が家のテレビは見た目もレトロな1980年代のモデルです。
しかし侮るなかれ、デジタル放送にも対応してバリバリ現役でがんばっています。
翻って件の友人宅では60インチ液晶TVで映画鑑賞、それに慣れてしまうと
もっと大画面大音響で楽しみたくなるのだそうです。そんなものかなあ?…、
我が家も大画面の液晶テレビにすれば良いのでしょうが、差し当たって家族の
誰からもそんなリクエストは無く、それよりも一昔前のレトロなテレビを
大切にしたいという気持ちの方が大きいのです。毎日暮らしているこの家も
庭の桜も、そして家人の車もクラシック、長い年月を経て今も現役で
頑張っている愛しい我が家のメンバーです。大切に使わなければ罰が当たる
そんな気もしてきます。
メディアが急速に発達したお陰で、気軽に日本の家族とスカイプが出来るし
インターネットで世界中の情報が洪水の様に入って来る…。
数年前まではテレファックスに感激していたはずなのに、今はもう過去の遺物と
なり地下の物置に放置されています。気がつくと携帯番号とメールアドレスだけが
頼りという、近未来的時代になってしまいました。
『便利』に慣れすぎて、ともすると忘れがちになってしまうことが有るような気が
します。この一年の反省をするには少し早いけれど、時間のある時にゆっくりと
自分の日常を見直してみるのも良い事だと思います。
反省して来年は改善されるかどうかはまた別問題なんでけれど…ね!?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
娘が11才の時に制作した刺繍を庭のリンゴと松ぼっくりで飾りました。
勝手に自分で隅っこに日付をステッチしています。母親に似ず器用な子供でした。
お裁縫の時に何気なく使っているピンクッションも娘が10才の時に
学童クラブで作った物。裏に「ママへ」と刺繍が…。