2013年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 216】 by 岡村恭子
VOL.216 ささやかに、でもドラマティックに!
torsdag den. 21 november 2013
19日はデンマークの地方選挙の投票日でした。
今回の投票率は何と全国平均72%!改めてデニッシュデモクラシーという
言葉の意味が分かったような…、とにかく、デンマークの人は一人一人が
自分の意見を持ち、政治に関心が高いということに改めて感心した選挙戦でした。
当選落選悲喜こもごもそれなりにドラマティックだなあ、と思います。
日本人の私にも地方選には投票権が有ります。清き一票を入れて来ました!
大きな投票用紙には立候補者の名前がズラーッと書かれています。
もちろんデンマーク語=横文字!の中から私がイチ押しの候補者にX印をつけながら、
思わず口元がほころんでしまいました。何故って、当然ながらコペンハーゲン
に暮らしていなければ、日本人の私にとって今回の選挙など永遠に無関係な
事柄だったはずだと今更ながら思い当たったからです。その自分が一票を
投じているのですから、ささやかながら私なりの人生ドラマです。
人生ドラマを演じている?人が我が家にもう一人います。
北欧デザインを勉強する為にこの国にやって来た家人がデザインオフィスを設立
してこの秋で40周年を迎えました。
デンマーク人のパートナー、エリックはデザイン学校時代のクラスメートですから、
彼等の仲は夫婦よりも長くなります。今や阿吽の呼吸という言葉がピッタリ。
学校卒業と同時にオフィスを開いて以来ずっと変わらず二人で活動して来ました。
日伝コンビのデザイナーオフィスがこんな長期間続くというのは今迄に例のない
事、仲間達が ” 家具デザイン界の奇跡 “ と言っている!とエリックが
嬉しそうに教えてくれました。確かにデンマークに北欧デザインを学びに
来る人は世界中から沢山来ますが、いつかは自国に戻るというのが普通です。
家人は24歳にしてデンマークで本格的に仕事をして行こうと決心した。
1970年代の初めのインターネットも無い時代に一人の日本人青年が
トランク一つ持ってはるばる北欧にやって来た…。そんな場面を想像すると、
たちまち地球がズームアウトして大きく感じられます。
始めて北欧に一歩踏み出した時以来、優れた家具デザイナーになる事を目標に、
気がついたら40年です。言葉に出さない所に沢山のドラマが隠されているような
気もしますが、本人は淡々としたものです。自らの意思で選んだ道を進んで来た
という自負と責任感がそうさせているのだと思います。
たまに褒めてあげても良いかもしれない。
O&M DESIGN 40周年おめでとう!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
これが投票用紙です。このカードと引き換えに候補者リストを受け取ります。
現職コペンハーゲン市長のプラカードと投票所でお利口にしていたワンちゃん。
O&M DESIGN 40周年おめでとう!