2013年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 209】 by 岡村恭子
VOL.209 日向ぽっこと冬野菜のお話し
torsdag den. 3 oktober 2013
日増しに秋が深まって来ています。
日ごと確実に日照時間は短くなり、陽射しも低く弱々しくなって来ました。
それに反比例する様に北欧の人の “お日様恋しい気持ち “ が高まって来ます。
先週末は秋晴れの素晴らしいお天気でした。そんな日はみんなイグアナみたい…
とは春先にも書いたような気がするけれど、本当に半端じゃないのです。
人々はジーッとひたすら太陽に顔を向けて日光浴に勤しみます。
通りかかった橋の上、街角カフェ、どこも面白いくらい日の当たって
いる側だけにズラーッと人が並んで日向ボッッコです。
長い冬が目前にきている事を一瞬でも忘れたい気持ちが私にまで伝わってきます。
橋の上に日光浴の人が並ぶ北欧の秋、スーパーの店先には歪んで
大きさも不揃いな産地直送の林檎が並びます。美味しそうなのを見かける度に
つい買いたくなるのを、庭にも沢山実っているんだ!と思い返して、
一度出した手を引っ込めたりしています。
野菜売り場には根セロリー、長ネギ、人参、ジャガ芋、それに分厚い葉っぱの
キャベツなど、どっしりと持ち重みのする冬野菜の登場です。
温かいスープの季節到来です。そして、大きなキャベツを手に取りながら、
同じ野菜でもお国柄で随分性格が違っていて面白いなあと思います。
デンマークの長ネギは太くて煮込むと甘みが出て美味しくなります。
スープにしたり、キッシュなどにも良く使われます。ジャガ芋は北欧人の
主食ですから、ホクホクタイプ、ネットリタイプと種類も豊富に
『オラが自慢のジャガ芋』が土のついたたまま、大きな麻袋からゴロリと顔を
のぞかせています。逆に人参はとても甘みが有って、そのまま食べても
美味しいサラダ向きです。子供達はおやつに人参スティックをポリポリします。
これぞ健康食品のお手本という感じです。デンマークで売っているキャベツは
葉が分厚くてサラダには不向き、その代わり煮込み料理にすると甘みが引き立っ
てとても美味しい一品が出来ます。ロールキャベツが面倒なら、ウィンナーソー
セージやベーコンと一緒にコトコト煮ただけで、冬の食卓を温かく彩るメニュー
となります。… が、やっぱりトンカツの横に添えられた、見た目にも柔らかい
キャベツの千切りは格別で、思い出すと無性に食べたくなります。
でもそれは無い物ねだりというもの。私は今日もキッチンに立ち、千切りキャベツを
恋しがりながらも北欧の冬野菜を楽しんでいます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
秋の果物が並んだ店先、自然栽培の凸凹林檎が甘酸っぱくて美味しい!
橋の上も、街角カフェも、日の当たる側だけ満員御礼!
カナ猫も柔らかい秋の陽射しが気持ち良さそうです。