2014年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 232】 by 岡村恭子
VOL.232 「お花見」に「おままごと」:土足厳禁足裏文化?
torsdag den. 27 marts 2014
今週末には夏時間がスタートします。
時計の針を一時間早めるだけなのに不思議なくらい明るく感じるように
なります。毎年の事ながら魔法にかかったような気持ちです。
冬の間枯れていた垣根や薮に新葉の萌葱色が挿し始め、そこにレンギョウの
黄色い色が混じり合い、庭の様子も日一日と軽やかになってきました。
でも、庭の桜の蕾はまだ固く、お花見まであとひと月くらいかな?と
いう感じです。
日本は丁度桜前線北上中ですね。今週末あたりはお花見の人で何処も
賑わうことでしょう。桜の花びらの下で赤い毛氈ではなく青いビニールシート
というのが少々味気ないような気もしますが、靴を脱いで車座になり、
お弁当を開いて、すっかり寛ぐ…そんな “ お花見 “ は幼い頃の ” ままごと “ に
も似ているような気がします。
最近の子供達はおままごとなどしないのかも知れませんが、私が子供の頃は
女の子が一度は夢中になる「ゴッコ遊び」の王道でした。
小さな敷物を広げ、クツを脱いだ場所が玄関で、その反対の隅っこが台所、
砂や葉っぱで作ったご飯をお父さん役の男の子に食べさせる。お父さん役の
男の子はその辺をクルッと回って帰ってくるのが決まりでした。小さな敷物の
上は土足厳禁、「ただいま」と言いながらクツを脱ぐ。女の子がそのクツをきちんと
揃えてたりして、実に大人達の様子を観察していると感心しますが、それはさておき、
お花見もやっぱり土足厳禁…というよりもまずは靴を脱いだ、その途端に
寛ぎモードに切り替るというのは、お花見に限らず私達日本人の生活文化の
大きな特徴かも知れません。そもそも靴を履いている状態を「土足」と表現する
ところに既に私達の暮らし方の基本姿勢が見て取れます。
外から帰った時、もしも玄関にきちんと揃えらた履物があれば、その履物の
様子から来客が誰なのか分かる。時には訪問者の意図まで察知できます。
作家、角田光代さんが靴を脱いでく寛ぐ日本人の所作を「日本特有の足裏親善文化」
という面白い表現で語っています。電車や飛行機で靴を脱ぎ、他人様に靴下の足裏を
丸見えにしている姿は困り者だけれど、それは靴を履いたままの西洋文化が
混在している場所だからで、お花見や相撲の桟敷でだったら相手の足裏が丸見えでも
気にならない。というようような内容の文章に大いに納得したのでした。
実はデンマークの人だって自宅で寛ぐ時には靴下の裏を見せているのです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
庭の桜の蕾はまだ固く閉じたままです。
春の陽射しを浴びて紫陽花も新芽を沢山出し始めました。
新しく買い足したパンジー第2弾。(以前のは庭に植えました。)
レンギョウの枝を水に生けたら一晩で蕾が開きました。