2017年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 370】 by 岡村恭子
VOL.370 年明けのコペンハーゲン:デンマークの¥郵便事情
torsdag den. 12 januar 2017
新年明けましておめでとうございます。
…というのにはちょっと時間が経ってしまいましたが、
2017年の『きょうのクロスステッチ』は370回目から、と
切りの良い数字が並んだところで気持ちも一新、
今年も皆さまにコペンハーゲンの日々をお伝えして行きたいと思います。
どうぞ刺繍の合間にお楽しみ下さい。
コペンハーゲンはそぼ降る雨の元旦に始って、晴れたり曇ったりを
繰り返しつつも比較的暖かい日が続き、すっかり油断していた所に、
突然の寒波襲来で一気にマイナス10℃になってビックリ!
カチカチに凍った道が少し緩んだかな?と思ったら、
本日は朝から横殴りの強風とミゾレまじりの冷たい雨台風です。
どうも年明けから天候不順ですが、重たい雲を払いのければ太陽が
顔をのぞかせているはず…お天気に一喜一憂しながら
春が来るまでしばらくは辛抱我慢の北欧暮らしです。
普段は簡単にメールで済ませている私も新年くらいは、と
挨拶の手紙をしたためました。直筆で書く事が少なくなって来た
今日この頃、間違えずに…とペンを進めるだけでも気持ちが引き締まります。
…よしっ!書けました。早速投函しましょう!
デンマークから日本への郵便料金は50g未満が25クローナ(約400円)、
因に、日本からデンマークに出す場合の料金を調べたら50g未満は190円
(約12クローナ)、25gまでなら110円(約7クローナ)でした。
ハガキ一枚ならデンマークから送る場合の3分の1以下の料金です。
どちらからでも手間は一緒のはずなのに…。
“ 日本郵便 “ は利用者に優しいなあ…と感心しきりで、書き上げた手紙を
手に最寄りの郵便ポストに行くと…そこで目に留まった小さな注意書き。
『ポスト投函による国際郵便配達は通常より最低3日は遅れます』…?!!
昨今のリストラで集荷の回数が減ったということでしょうか?でも、
それなら全ての手紙のはずなのに、わざわざ ” 国際郵便 “ と書いているのは
どいういうこと?… 手紙を持ったままポストの前で首を傾げます。
近所の郵便局まで持って行こうと思った所で、その郵便局が元旦明けに
突然の閉局になってしまったのです。
シャッターが下りた窓口に移転先が簡単に書かれているのを見かけて、
ああ、遠くなってしまったねえ…と新春早々残念がっていた所だったのです。
今回は 何となく割り切れない気持ちのまま “ 3日遅れ “ でも仕方が無い、と
ポストに投函しました。
そんなこんなで問題だらけのデンマーク郵便事情ですが、
年明けからこんなことで良いのか?…などと、私一人で怒っても始まりせん。
さあ、さあ、気分を切り替えて美味しいおやつを作りましょう。
クリスマスの丸いドーナッツ、Æbleskiberの型を使って『簡単たこ焼き!』
レシピも無い自己流です。でも、ほら、美味しそうでしょう?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
北欧に春を呼ぶ花、チューリップが沢山並び始めました。
Æbleskiber用の型なのでジャンボサイズです。
有り合わせの具材を入れて自家製の紅生姜と青のりを添えれば、
見た目も美味しそうなタコ焼きの完成です。寒い日にピッタリ!!
【きょうのクロスステッチ Vol. 371】 by 岡村恭子
VOL.371 日本&デンマーク友好150周年に思うこと
torsdag den. 19 januar 2017
今回の記録的な大寒波、皆様お住まいの地域は如何でしたか?
ヨーロッパもドナウ川が凍りくほどの寒波に見舞われましたが、
コペンハーゲンは最低でマイナス10℃程度、大した被害も無く
済みました。実は、デンマークは北欧諸国の中で最も緯度が低く、
(=南に位置している)北から延びるスカンジナビア半島が
北極からの寒気の直撃をブロックするという “ お得 “ な地理的環境
なのです。それに、ほら、もう冬至からひと月が過ぎました。
…ということは?!そうです。夏至まで5ヶ月!!
これからは少しずつ明るくなって行くのを楽しみに、
今から庭仕事のイメージトレーニングです。
年末、新年を迎えるテーブルにヒヤシンスの球根を置きました。
チューリップとヒヤシンスは北欧に春を呼ぶ花、街の花屋さんはもちろん、
スーパーの店先にも球根が沢山並んでいます。
人々は気軽に球根を手に取り、玉ねぎや人参と一緒にカゴに入れます。
この気安さがいいなあ、といつも思います。
本当の春がくるのは随分先だという事は知っているけれど、でもね、
それなら…と、球根を一株買って室内に春を呼び込むのです。
テーブルのヒヤシンスも少しずつ蕾が膨らみ、緑の葉が延びて来て…、
そして淡いピンクの花が咲き始めました。
只今、部屋中が甘い香りに包まれて一足お先に春気分です。
さて、今年は日本とデンマークの友交150周年の年です。
→ VOL.313 文化の秋 : Learning from Japan展より
日本の皇太子様とデンマークの王位継承プリンス:フレデリックが
アンバサダーとなって両国で様々なイベントが開催されると聞き、
ワクワク感の高まる中、さっそく年明け早々、国立絵画館で特別展 :
『Japanomania展』が始まりました。
( http://www.smk.dk/ 期間 : 1月19日〜4月23日)
1860年のパリ万博で日本の芸術が広く紹介されて以降、
ヨーロッパでジャパネスクの影響を受けたアーティストが台頭しましたが
(モネは有名ですよね。)今回の展覧会はその中でも余り知られていない
北欧の絵画にスポットを当てている所が大変興味深い。
他にも一年を通じて、音楽、食など様々な分野での交流&イベントが
開催されるようです。きっと、日本各地でも色々と開催されると思いますが、
コペンハーゲンに拠点を置くステッチハウス主宰の “ 春のオープンステッチハウス “
もささやかながら日本とデンマーク間の友交に一役買っていると思います。
そして、日本の皆様が刺繍を楽しみながら、自然に両国間の文化交流を
促し友好を深めているということは、とても意味の有る事だと改めて
思っています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
小さな蕾だったヒヤシンスがようやく花開き、甘い香りを放っています。
(一本だけ延びすぎたので水切りしてグラスに挿しました)
花が終わった球根は庭の土にそっと寝かせます。
クリスマスにみんなで作った粘土細工。ようやく乾燥しました。
楽しかったひと時の思い出として保存しましょう。
街角スナップ。 木漏れ日にも早春の兆しが…。
ラウンドタワーに反射する陽光も明るくなり、
何となく空気が柔らかくなって来たような気がします。
【きょうのクロスステッチ Vol. 372】 by 岡村恭子
VOL.372 "ふわふわ” なことは良いことだ!
torsdag den. 26 januar 2017
1月も残すところあと数日、もうすぐ立春です。
ステッチハウスのページにも春のモチーフが並び始めましたね。
眺めているだけで気持ちが明るくなってきます。
クリスマスからニューイヤーにかけてご馳走を食べ続け、
プレゼントが行き交い、食欲も物欲も充分に満たした後、
さあ、野菜を食べよう!ジョギングしよう!と、只今全国的に
ダイエットシーズン真っ盛りです。
そして、寒くて退屈な今のうちに大人は仕事、学生&子供達は
勉強に勤しみます。多分一年中で今が一番集中できる時期です。
そうこうしている内に小鳥がさえずり、春の花が咲き始めると、
気もそぞろになってしまう。だから今頃が『がんばり時』なのです。
私も庭仕事が始まる前に室内の片付けをしてしまおうと思います。
先日は地下室の大掃除でした。
我が家の地下にはランドリーや乾燥室、ワインセラー(現在は家人の
ホビールーム兼道具置き場)、食料保存室などの他にもう一つ
広いスペースが有って、そこを物置として使っています。
引っ越して来た当初は幼かった娘の冬の遊び場でした。
放課後クラスメートと一緒にローラースケートやボールで遊んでいた
ものです。壁には当時のイタズラ描きもそのまま残っていています。
懐かしいなあ…と思い出に浸る場合ではない。片付けなくては!
それにしても、使わないのに捨てきれない雑多なモノが山積みです。
いる?…いらない!…と分別して壁面の棚がなんとか収まりました。
最後に山ほどの雑誌類を出して地下室のダイエット完了!
エンジンのかかったついでにバスルームもきれいにし、
丁度 初期洗濯が済んで乾いたばかりの新しいタオルを洗面に掛けて
その日のワーキングプログラム終了です。一息ついていると
家人が怪訝な表情でやって来て言いました。タオルを顔に当てた途端
ふ〜んわり とした感触にビックリ!いつものゴワゴワとは大違い!
どうしたの?洗剤を変えたの?と、嬉しいような情けないような褒め言葉です。
あのね、新しいタオルだからです!…そう答えながら可笑しくなりました。
下ろしたてのタオルに喜ぶとは、何とまあ安上がりなお話でしょう。
確かに、デンマークの水道水は硬水でカルキが含まれている為、
洗えば洗う程ゴワゴワ感が増し、柔軟剤も効果は期待できません。
(私はその “ ゴワッ! “ とした感触が好きなのですが。)
その日はタオルの話から『ふわふわ談議』に花が咲いて、
“ ふわふわ “ は幸せな気持ちにしてくれる。 “ ふわふわ “ なことは
良い事だという結論になりました。
赤ちゃんのホッペ、手編みのマフラー、マシュマロ、積もったばかりの白い雪
etc. 身の回りの『ふわふわ』を探してみるのも楽しいかもしれませんね。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
庭の隅に咲き始めたエランティス。早春の訪れを告げています。
地下の物置。壁には子供達の落書きがそのまま残っています。
例えば、ふ〜んわりタオル、ほわほわの手編みマフラー、そして、
懐かしの “ のら猫カナちゃん “ …どれも “フワフワに包まれる幸せ “です。
【きょうのクロスステッチ Vol. 373】 by 岡村恭子
VOL.373 魔法のキューブ : 生イーストで作るおやつパン
torsdag den. 2 februar 2017
2月になりました。
のら猫カナちゃんが来なくなって丁度一年になります。
最後に姿を見せてくれたのは、忘れもしない去年の今頃の事でした。
いつもと変わらぬ様子でフラリとやって来てフラリと立ち去った…
その後ろ姿が何故か心もとなく感じられて「お腹が空いたらまたおいでね」と
声をかけたのだけれど聞こえなかったのか?
それ以来プッツン!音沙汰無しで一年が経ってしまいました。
どこでどうしているだろう?無事でいるかな?と心配ですが、
しかし、以前1年3ヶ月ぶりに再登場したという前歴の持ち主です。
またひょっこりやって来るかもしれない、と淡い期待を捨ててはいません。
今日はまた、朝からどんよりとした曇り空です。
いっそ雪でも降ってくれたら周囲が明るくなるのに、
気温が半端に高いので降って来るのは白い雪ではなく冷たい雨です。
こんな日は血圧も上がらない。買い物も、掃除もしたくない…。
そういう時に冷蔵庫から取り出すのが3㎝×3㎝の小さなキューブです。
これさえ有れば鬼に金棒?!…パンが焼ける、ピザも作れる!
その小さな固まりとは生イーストのこと、何かと重宝な常備品です。
今日はこのイーストを使って代表的なデニッシュのひとつ “スナイル “
(=シナモンロール)を焼きましょう。
スナイルとはデンマーク語でカタツムリの事。クルクルと渦を巻いた
シナモンロールは確かにカタツムリに似ていますね。
*****************************************
☆スナイル : シナモンロール☆
{材料 約30個分}
小麦粉 500g
室温に戻したバター 100g
牛乳 200cc
生イースト 50g
卵 2個
グラニュー糖 大さじ1〜2 (好みで調節)
塩、カルダモン 少々
{クリームの材料}
室温に戻したバター 150g
グラニュー糖 85g
シナモンパウダー 大さじ2〜3
他に、仕上げ用の溶き卵
****************************************
暖かい紅茶と一緒に頬張れば うう〜ん、美味しい!
甘く香ばしい匂いに包まれて…気分も “ 曇りのち晴れ◎ “ になりました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
これが魔法のキューブ、生イースト(一個1kr.)。
デンマークではバターやミルクと同様、常備品の一つです。
ボールに 振るっておいた小麦粉、人肌に温めた牛乳とその中で溶かした
イースト、その他の材料も全部入れて良く捏ねる。
サランラップで被い、その上に布巾を掛けて30分程寝かせる。
30分後。2倍ほどに醗酵したタネを半分に分けて夫々約20㎝×40㎝に
伸ばしバタークリームを塗ります。
タネを手前から少し押さえつけながらロール、最後の部分をしっかり閉じる。
ナイフで3〜4㎝幅に切り、天板に乗せて上部を少し押さえて平らにして
ツヤ出しの卵を塗ります。
200℃のオーブンで約15分、パンの焦げるイイ匂いがして、
こんがりと焼き色がついたら完成です。
【きょうのクロスステッチ Vol. 374】 by 岡村恭子
VOL.374 2017年 早春賦
デンマークに暮らして思う事
torsdag den. 16 februar 2017
2週間お休みしていた間に雪が降り、積もり、そして 解けて、
今日は気持ち良い小春日和です。
冬至の頃より2時間10分も日照時間が延びたそうで、どおりで明るい!
雪解けの黒い土の下からツンツンと春の花の芽が顔を出し始めました。
庭の様子をお知らせしたいと、カメラを手にしたまま久しぶりに
広がった真空を見上げて、そうかあ、ここはコペンハーゲンなのねえ…
と今更ながらの独り言です。
結婚を機にデンマークに暮らし始めたのは1980年ですから、
今から37年も前になります。自分でも驚くくらい長い年月なので
人に聞かれた時には少なめに30年くらい、と答えることにしています。
それでも大抵の人は驚いたり呆れ返ったりしてしまいます。
光陰矢の如し。今になって ああも出来た、こうもしたかった…と
思っているけれど、後の祭り、後悔先に立たず で、
暢気に日々を積み重ねて今になってしまいました。
家人の仕事の拠点だということもあるけれど、
それ以上に私とデンマークとは相性が良いのかな?とも思います。
“ 住めば都 “ のコペンハーゲンなのです。
既に書きましたが、今年は日本とデンマークの友交150周年という
記念すべき年です。同時にその年(1867年)というのは徳川幕府が
江戸城を明け渡し明治維新が始まったという、日本の歴史が大きく変わった
年。 “ 最後の将軍 “ 徳川慶喜はさぞかし多忙であった事でしょうに、
(将軍業に嫌気がさして楽隠居になりたかったという話も有りますが)
とにかく、徳川幕府がその300年の歴史に幕を閉じようとしている
最中に、デンマークとの通商条約の締結した将軍慶喜の心境はどのよう
だったのか?と興味が湧きます。
以来150年、様々な時代の波を越えて友好関係が続いてきたと
思うと感慨深いです。
デンマーク刺繍に魅せられてステッチハウスに来て下さった皆さまをはじめ、
かつて日本の伝統工芸から影響を受け、シンプルで機能的な北欧デザインを
確立した…、その北欧デザインのファンも沢山いるのですから、
やっぱり両国は相性が良いのですね。
ふと、フィンランドに暮らす知人が「デンマークの森は日本と似て優しい。
フィンランドの森は人を拒絶する厳しさがある」と言っていたのを
思い出しました。
庭の桜の老木も早春の訪れを待ち望んでいる様子です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
今日の庭から、雪解けの芝生の間からは可憐なエランティスの黄色い花。
庭先のテラスも早春の陽射しを受けて気持ち良さそうです。
街角スナップ。
メトロの工事現場のフェンスにステッチ刺繍が!モチーフが可愛いですね。
デンマークの人は少しくらい寒くてもお天気が良ければ外カフェです。
【きょうのクロスステッチ Vol. 375】 by 岡村恭子
VOL.375 冬休みの過ごし方 あれこれ
torsdag den. 23 februar 2017
2月はきっかり4週間、たちまち過ぎて行きます。
カレンダーをめくれば弥生三月ひな祭り…春がそこまで来ています。
デンマークは昨年に引き続き、この冬も雪が少ないまま終わりそうな
気配です。雪かき作業の手間が省けたけれど北欧らしさに欠けるようで、
ちょっと物足りないような気もしています。
かつては氷に覆われた海峡を、ソリに乗ってスカンジナビア半島まで
渡れたと聞くにつけ、やっぱり地球の温暖化は進んでいるのだと実感します。
さて、今週は冬休みです。学校から解放されて思い切り羽根を伸ばして、
さあ、遊ぼう!…でも、外は寒いしチボリもレゴランドもシーズンオフだし、
一体どこで?…と言う子供達の声が聞こえて来そうですが大丈夫!
ソーシャルプラットフォームが整ったデンマークの事、楽しく過ごせる
公共の場が色々と有りそうです。例えば、国立博物館(入館無料)もその一つ、
冬休み最終日にはファストラウンのイベントが開催されて
毎年沢山の家族連れで賑わいます。思い思いにコスプレした子供達が
可愛らしくて、見ているだけでこちらまで笑顔になります。
昔は樽に猫を入れてたたき出していたそうですが、今は中からお菓子が
出て来る仕掛け。子供達の歓声が春を呼びます。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1135.html
もう一つ、最近話題になっているのが教会をリノベーションして市民に
開放したAbsalonという名前のホールです。
場所はコペンハーゲンの西側のダウンタウンVesterbro地区。
お洒落なカフェや人気のベーカリーが点在する今一番人気のスポットです。
デンマークの人にとって、教会は結婚式や葬儀を執り行う厳粛な場所では
あるけれど、かと言って毎週日曜日にミサに通うという人はごく少数派です。
人集めに頭を悩ました教会がコンサートを開くなど工夫を凝らしていますが、
それでも、需要と供給のバランスで行くと教会の数は過剰気味です。
Absalonもそんな教会の一つでした。
そこで、新たな活用法を打ち出したのがフライングタイガーという名前で
日本でも人気の雑貨ショップのオーナー : Lennartさんです。
1980年代、雑貨のお店を始めた当時から如何にお客さんに喜んで
もらえるとか?工夫(店先でマジックショーをしたり…)してきた
アイデアマンなので、地域住民に開放された教会のリノベーションは
お手のもの!?そういわれてみると。確かにカラフルで手作り感覚満載の
キッシュなインテリアはフライングタイガー的です。
ベンチを取り払った広々としたフロアに卓球台。何と祭壇はカフェコーナー!
ここなら冬休みの子供達も安心して遊べますね!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
国立博物館でのファストラウンから。
コスプレした子供達がバイオリンに合わせて唄って踊って、
その後は樽を叩いて遊びます。
Absalonのバルコンからの眺めです。奥の祭壇部分にもテーブルが並び
BARという看板も見えます。大人から子供まで楽しめる卓球は大人気。
我が家の庭から。
【きょうのクロスステッチ Vol. 376】 by 岡村恭子
VOL.376 ひな祭りに素朴なおやつ : バナナブレッドは如何?
torsdag den. 2 marts 2017
春のオープンステッチハウスのお知らせがアップされました!
→ https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1683.html
スウェーデンからEvaさんをお招きしてのワークショップも決まり、
いつにも増して楽しみなイベントになりそうですね。
今から張り切っている延江さんの笑顔が見えるようです。
Evaさんがステッチハウスの為にデザインしたという
オリジナルモチーフがとってもステキで、こんなのが作れたら良いなあ…と、
刺繍不習いな私でさえ参加してみたくなります。
新緑の東京で刺繍を愛する皆さまが集い楽しいひと時を過ごされますように…。
さて、日常に目を移せば、
春よ来い!早く来い!と言っているうちに3月になりました。
日増しに明るくなって、小鳥がさえずり春を告げています。
気象庁の調べに寄ると、この冬の平均気温は2,8℃、同じ時期の
過去10年間の平均気温が1,7℃だったそうで、何と1℃以上も
上昇した事になります。この先どうなるか?心配ですが、
取りあえず、コペンハーゲンは暖かい春を迎えようとしています。
小雨の煙る日曜日、
バナナブレッドを焼きました。イーストを使わないパンです。
蒸しパンのような素朴な味わいで、小腹が空いた時にお薦めです。
●材料
小麦粉 ……… 2カップ+50cc
ベーキングパウダー、重曹、塩…… 各茶さじ1,5
ブラウンシュガー …… 1dl.
卵 …… 1個
バナナ …… 4本
●作り方
1 ボールにブラウンシュガーと卵を入れ軽く撹拌する。
2 1に振るった小麦粉、ベーキングパウダー、重曹、塩を加える。
3 ペースト状にしたバナナを加えて全体を良く交ぜる。
4 型に入れて190℃で40分。
少し冷めるとバナナの風味が増すようです。
珈琲を湧かして午後のひと時、焼きたてを口に運びながら、
「子供の頃に母親が焼いてくれた蒸しパンを思い出した。」
家人が懐かしそうに言いました。思い出はそれからそれへと広がって行きます。
どうやらバナナブレッドは、ほのぼのとした気分に浸りたい時に
打ってつけのおやつパンのようです。ひな祭りのティータイムにも
ピッタリだと思います。お試し下さい。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
リビングに小さなおひな様。
差し込む陽射しも春らしくなって来ました。
バナナブレッドの作り方の写真です。全体に大雑把で大丈夫です。
バナナのつぶし方も好みで。ツブツブが残っているのも美味しいです。
イースト不要なので気軽に作ってみて下さい。
【きょうのクロスステッチ Vol. 377】 by 岡村恭子
VOL.377 早春の庭仕事スタート!
torsdag den. 9 marts 2017
先日、TVニュースでお花見のシーンが映し出され、
早くも日本で桜が開花したと伝えていました。
場所は不明でしたが、長閑な里山風景と桜の下で集う人々の姿は
本当に平和そのもの、束の間、満開の桜に郷愁を誘われました。
我が家の老桜はどうかしら?今年も花を咲かせてくれるかしら?
苔むした幹を撫でながら、がんばって… と、思わず呟きます。
デンマークも三寒四温を繰り返しつつ、確実に暖かく明るくなって
来ています。春の庭仕事の季節到来です。
さあ、長靴履いて軍手をはめて!と張り切ってはいるものの、
実は楽しい草花の手入れの前に待っているのは肉体労働です。
今週末には冬枯れの後始末をしてしまうつもり。
まずは冬の間に堆積した落ち葉や折れ枝などを取り除き、芝生に覆い
被さるように繁殖している苔を取り除かなければなりません。
先がクシのようになっている道具で鋤いて行くと、苔の下から黒い土に
芝生が顔を出して、「ふう〜、やれやれ、苔が邪魔して息苦しかったよ。」
と、喜んでくれているようです。その他にも植え込みの薮の枝払いや、
越冬した草花の剪定など、暖かい季節を迎える前に細々としたメンテナンスが
続きますが、今年はそんな時、出来たばかりの物置が活躍してくれそうです。
真冬のある日のこと、夏になったら気軽に一休み出来るように、と
家人が物置の真ん前にあるリンゴの枯れ木に丸い天板を取り付けました。
“リンゴの木のティーテーブル “ なかなか良い感じです。
せっかくだから、その周辺にラベンダーを植えようかな?…、
物置が出来たおかげで今まで忘れられていた裏庭が俄にクローズアップですが、
何事も焦らずに、のんびりと出来る事から少しずつね。
家人と早春の庭を一巡りしながら、そう言い聞かせている所です。
レンギョウの黄色い花が咲き始めれば、庭も華やいで来るはず。
そうしたら Fremmeのモチーフに負けないように庭の草花の写真を
沢山アップして行きたいと思っています。どうぞお楽しみに!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
プランターセンターは一足早く春爛漫です。
温室はパンジーやゼラニウムの花盛り。
パンジーを窓辺に置いて “ 春 “ を飾りました。
花壇から芽を出し始めたチューリップ。
【きょうのクロスステッチ Vol. 378】 by 岡村恭子
VOL.378 自転車推進都市 : コペンハーゲン
只今、自転車が過剰気味?!
torsdag den. 16 marts 2017
朝から “ 春一番 “ が吹き荒れて庭木を揺らし、強風に煽られた
ライラックの木が、一本、幹の途中から真っ二つに折れてしまいました。
太い枝が真横になってレンガ塀越しに通りの方にはみ出しています。
通行人に迷惑がかかるといけない。切らなくては!
早速ノコギリを持って相変わらずの肉体労働ですが、
そうしている間も小鳥がさえずり、一瞬飛ばされてしまいそうな強い風にも
緩んだ温い空気を感じて。そんな、いちいちに春の到来を実感します。
そして、これからは自転車が大活躍するシーズンです。
コペンハーゲンは運河に囲まれたデルタ地帯で、どこまでも真っ平ら。
“ 坂 “ と呼べるような坂道など、どこを向いても見当たりません。
自転車先進都市の所以は、そんな地理的条件も大いに関係しています。
そんな “ 真っ平らな街 : コペンハーゲン “ から東京に行くと坂道が多いのに
改めて驚きます。ヒダのように連なる地理的段差が変化に富んだ街並を
形成しいるし、トントン…と下りた石段の下に思いがけない風景が
待っているような期待感がある。“ 坂道 “ は東京の魅力の一つだと
つくづく思います。
翻って、 “ 真っ平らなコペンハーゲン “ は公園に人工的な築山を作り、
階段やスロープを子供達が嬉々として登ったり降りたりしています。
ことほど左様に平らですから、春一番が吹き荒れた今日も今日とて、
人々は自転車を諦めない。向かい風に負けまいとペダルを踏む足に
力が入ります。
都市に暮らす人にとって自転車は日常欠かせない移動手段です。
子供の頃からマイバイクを使いこなし、成長に伴い少しずつ大きな
サイズの自転車に乗り換えてゆきます。
クリスチャニアバイクの通称で呼ばれている荷台付きの自転車に
子供を乗せている光景も日常的です。
自転車専用道路が完備しているから可能な移動手段だと思いますが、
エコで安上がりの自転車を更に普及させる為に政府レベルでの取り組みが
推進されて、ますます自転車人口は増加を辿り、ついにオランダを抜いて
一位になったと聞きました。しかし、気付くと手持ちの自転車が増えてしまう、
という事態にもなりかねない。身近な所で言えば、捨てるに捨てられず、
放置してある自転車が、我が家の地下にも5台ほどあります。
この調子だと、多分お隣りさんにも、その又お隣りさんの家にも不要になって
眠っている自転車が沢山有るような気がして来ました。
自転車リサイクルマーケットを開いたらどうだろう?と言ったら、
自転車を出す人はいても、それを欲しいという人がいるだろうか?という
話になりました。不要になった自転車対策、その妙案は無いものか?
只今考え中です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
街角スナップから子供連れの自転車例をピックアップ。
赤い荷台がクリスチャニアバイクです。
ラッシュアワーはこの手の自転車も多く、おまけにみんな超ハイスピード!
ハンドルテクニックが必要です。
市街地の駐輪場はどこも満杯です。
セントポーリアの花をバスケットに盛り合わせて…。
【きょうのクロスステッチ Vol. 379】 by 岡村恭子
VOL.379 日々の暮らしに息づく工芸デザイン展 『和』
at A.Petersen : Copenhagen
torsdag den. 23 marts 2017
10月末に冬時間になってから5ヶ月が過ぎて、
いよいよ待ちに待った夏時間の出番となりました。
3月最終日曜日、am 2:00に公式時刻がam3:00に切り替えられます。
いつも通りに起きたのに、一時間寝坊!という事になってしまう。
この日、時計の針を逆回りさせないようにと、デンマークの人は
ガーデンチェアを「 出す」&「 戻す」と覚えます。
夏時間は「 出す」冬時間は「 戻す」…なーるほど分かり易い。
それに、ガーデンチェアという所が如何にもデンマークらしい。
さあ、庭に椅子を出しましょう!
途端に、通りのカフェも、運河沿いのベンチや広場にも、
日だまりという日だまりに人々が憩い始めます。
明るい季節の幕開けです。
家人が家具デザイナーという仕事柄、家具に限らず様々なジャンルの
“ デザイン “ に触れる機会が多く、その度にデニッシュデザインは
日本人の感性と響き合うものがあると感じて来ました。
デンマークの伝統的なクラフトマンシップから生まれた、
シンプルで機能的なデザインは不思議なくらい “ 和の空間 “ にも似合います。
どうやら、その根底には両国の人々の“ カタチ “ に対する共通の
美意識が有るようだ、とも思って来ました。
コペンハーゲンのギャラリーショップ : A.Petersen http://apetersen.dk/
で始まった、日本の優れたデザイン工芸品を紹介するイベント『和』。
広い空間に浮遊するようにディスプレイされているのは、選りすぐりの
日本の工芸品の数々です。陶器、竹細工、樽、木工小物、布、銀細工、等々。
いずれも無駄の無い機能美に満ちています。
レセプション当日はオープンと同時に来場者がひっきりなしの大盛況。
日本の伝統文化やデザインに興味を持ち、知識も豊富な人が多いのにも
改めて驚きましたが、私にとって大好きな二つの国が、デザインという
共通項で理解し合える事がとても嬉しくて、文化交流という使い古された
言葉が俄に新鮮なイメージで浮かび上がっても来ました。
帰宅後、改めて身の回りを観察してみると、例えば、
スティック2本という究極のカトラリー 『 箸』を筆頭に
適度な抵抗感でスーッと持ち上がる茶筒のフタなど、普段何気なく
使っている道具の中にデンマークの人が感心するポイントが
沢山潜んでいる事に気づかされ、改めて暮らしに息づく” 和 “の
世界を見直す日々となりました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
“ 和 “の会場風景より。
高度な職人技による日本の伝統工芸品の数々。
『Learning from Japan展』 を思い出します。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1280.html
今日の庭から。黄色のクロッカスは盛りを過ぎて、紫クロッカスが満開、
ミツバチも飛び交い始めました。